あのアレをテーマにした映画『A』と『A2』を見た感想。
5月30日(火曜日)
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皆様ごきげんよう。
美味いバーガーは大好きだ。
このパルプフィクションのサミュエルを見て以来バーガーが大好きになる、くらい映画に影響されまくりなミーハーです私。
というわけで今回は最近観た映画
『A』
『A2』
についての感想。
オウム真理教についてはリアルタイム直撃世代なので忘れることは無い。でも当時の報道から今に至るまでに色んな事実が後から出てきたりして時代ごとに印象がどんどん変わってきてる。もちろん罪は罪で100%悪いのに変わりはないが、今回この『A』と続編にあたる『A2』という映画を見て思ったことも今までになくなかなか複雑だなという。
まず『A』から。
この『A』は当時オウム真理教の広報を担当していた荒木浩という人物にスポットを当てたドキュメンタリーである。作品を見た人ならわかってくれると思うがここれはあえて「荒木君」と呼ぶ。この作品見てると、彼がオウムだから憎むべき!ではなくただただ荒木君の半生、みたいな内容だからだ。
僕なりにぶっちゃけて書く。
結論『A』は荒木君という童貞世間知らずコミュ障気味の陰キャ、学はそこそこあったけど些細なキッカケでオウムというカルトに心酔してしまい、気づいたら大事件起きて終わって取り残されたけどなんか脱会も出来ず後に引くに引けなくなってしまって今に至る様を見ていこうとゆー作品である。
だからってこれ見て可哀想だとかは思わないこれっぽっちも。きっと監督の森さんもそう捉えては欲しくないはずだ。Aという映画はあからさまに荒木君という1人の青年にスポットを当ててるので、そこだけ切り取った事前情報だけ伝えてしまうと、聞いた人は「あ~なんだ、オウムは加害者側ではあるけど中には関係無い人もいて今もこんなに苦しんでるんですよハイお涙頂戴系か」と思われかねない。更にネタバレ含むが警察が彼らにとんでもない仕打ちをする証拠映像まであって、荒木君達が可哀想じゃないか!と少し偏った見方も出来なくもない。
だが全然違う。これは完全マジなドキュメンタリーというか、どちら側の視点にも立ってないただただ中立な真・ドキュメンタリーだと思いまして。もちろん荒木君80%なので事件の被害者側の描写は極端に少ないように思う。が、荒木君が数々の壁にぶつかり、彼が1人無言のままただ写されるシーンがめちゃくちゃ多いんだがこれがまた作り手側が彼に何か問いかけてるようにも見えるのだ。これも僕含め見た側がどう解釈するかだけの話だけど、僕にはそう見えた。例えば荒木君が呆然とした表情でただ無言のまま写される→「おい荒木、どうなんだ?これが現実なんだよ。お前もきっとわかってはいるんだろう?お前は騙されてたし、その思想は間違ってるんだ。」と問いかけてるようにも見えるし、逆で見れば「荒木君そんなに落ち込むなよ、確かに君が全部悪いわけじゃないし、でも世間は君が所属してたオウム=全ての悪って捉え方するし、それは仕方ないんだけど若干巻き添え食らってる感じで可哀想だとも思うよ。」って語りかけてるようにも見えるっちゃ見える。
もちろんこんなセリフは1つも出てこないしむしろ荒木君のこんなシーンはほぼほぼ無言である。ただ荒木君のぼーとしてるシーン。でもこんな無言の荒木君をただアップで写すシーンが多いってことは見てる側にどう捉えるのかを考えて欲しいってことなんだと思う。そしてそれは荒木君に対しても。何かを語って諭すわけでもなく、この作品で見れるのはただただ荒木君は日々現実と直面しながら生きていくだけ。つまり、だからこそモロに中立なんだと思う。だから僕はこの作品を見て、偏ること無くどっち側にも捉えることが出来たとゆーか。オウムが悪いということは大前提としてね。なんだろ、犯罪者の子供も同じ犯罪者なのかって言ったらそうではない、って理屈と似てるかな。とにかく見てちゃんと考えて欲しいと思う映画でした。
続いて『A2』について。
この作品はもう前作の荒木君いち個人スポットなこじんまりドキュメンタリーではなく、更に世界を広げた上質なドキュメンタリーに仕上がっておりました。オウムの事件は個人的に少しづつ、何年もかけて僕なりに調べて噛み砕いていった事件なので、このA2はそんな僕でも全然知らなかった事件後の側面が見れて、単純に面白かったです。面白いというと不謹慎かもしれないが、要はオウムの残党(荒木君含む)が事件後それぞれどうしてたのか、同時に世間や被害者側はどうだったのかなど、ただ映像を通して伝えてくれてる作品でした。変なテレビのドキュメンタリーみたいな綺麗ごとナレーションとか語りは無し。だからこの作品もAと同じく見てる側に考えさせるように作られてるな~と思いました。
とゆーわけでつまりこれはドキュメンタリー作品なので、何か面白さを演出したり効果音入れたり挿入歌入れたりとか、当然作られたストーリーも無いので見る人が見れば全く面白くない作品とも言えます。真面目に問題意識持って見れない人もキツイと思います。実際のオウム一連の事件の被害に関連する人が見ればハラワタ煮えくり返るかもしれません。僕は変な意味じゃなくて面白かったし、いい作品だと思います。ただしこの事件の事を全く知らない人が見るのはおすすめしません。ある一定以上の事件の内容や背景、ある程度の登場人物名を知る人が見て初めて伝わる作品かもと思います。
そんなわけで今日も宜しくお願い致します。
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